安倍晋三首相が11月11日、訪問先のベトナムで習近平総書記と会談した。日本では習近平が安倍と笑顔で握手する場面が注目され、あたかもそれを日本の勝利であるかのように報じるメディアもあった。大本営発表を垂れ流す、かつての自己検閲報道と変わらない。
首相官邸サイト:編集部
日本はまともな対中外交方針を持っていないので、日本の成果ではなく相手が変わったに過ぎない。安倍は訪中を約束しながら、習近平は訪日を明言していない。ハイレベル対話再開の見込みも示されず、手詰まり状態は全く打開されていない。
習近平の「笑顔」は余裕の表れだ。何度も指摘してきたが、習近平が権力基盤を固めれば、日中関係は安定する。(参照拙稿「中国の政治を理解するための視点⑨」)
安倍が集団的自衛権の容認や歴史認識の再定義、そして改憲を通じてアジアに脅威をもたらしているというのが中国側の公式見解であり、それでもなお「笑顔」を演じられるのは、政治的リスクの大きい対日政策で足元をすくわれる憂慮がなくなったことを意味する。トランプ米大統領の訪中が初期の目標を達成し、すっかり自信を深めたのである。「笑顔」は日本を通り越し、米国に向けられていると考えた方がいい。
習近平が目指す「二つの百年」目標は、「反日」どころではなく、日本を超越する「克日」「超日」の思想である。
習近平の権力掌握について先日、大学の同僚と議論をしていて、2015年9月
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習近平が安倍晋三に見せた「笑顔」と軍事パレード
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