時代のキーワード「ナッジ」「パーソナライズ」

時代のキーワード「ナッジ」「パーソナライズ」行動経済学の「ナッジ(nudge)」（※）が話題になっている。直訳で「肘で軽く突く」の意味。対象が気づかぬよう自然に行動の選択肢を誘導すること。欧米では、エコや省エネ分野や、納税率アップ、交通事故減などで成果を出している。身近な例では、男子トイレの便器にハエや的を描き清掃コストが削減されたとか、レストランのシェフのおすすめメニューもその一つ。日常の中で意識せずに実はそっと背中を押され促されていることは多い。公衆衛生の分野でも「行動変容」への可能性に期待されている。一方で、昨年から注目を集めているビューテイテック、ヘルステック分野では「パーソナライズ」をキーワードに顧客との「関係作り」を強化しようとする。個別化を進めてより対象との距離を詰めていく。あなただけの香り、あなただけのシャンプー、あなただけのサプリメントなども登場した。実はここでもカウンセリングから意思決定までの段階でナッジの手法が活用されている。多種多様なライフスタイルでニーズが複雑化する社会で、顧客作りに、パーソナライズ、ナッジがその手立てとなるか。 ※「ナッジ(nudge)」。行動経済学用語で、直訳で「肘で軽く突く」の意味。2003年にシカゴ大学経営大学院に所属するリチャード・セイラー氏と法学者キャスサスティーン氏が提唱、2017年にはセイラー教授がノーベル経済学賞を受賞。

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