MMT(現代貨幣理論)が日本では一世を風靡している。その前は金融緩和でなんでも解決するといわんばかりのリフレ派が全盛だったが、こんどは、財政出動がインフレにならない限りは無限にやればいいといいといった威勢のいい議論が流行というわけだ。
MMTを提唱するケルトン氏(Wikipedia)と異次元緩和政策を展開していた黒田総裁(日銀サイト)=編集部
私はマクロ経済政策としてどれが正しいとかいう以前に、マクロ経済政策主体で経済の問題を解決しようというのが間違いだという主張を、通産省に入省した1975年ごろから言い続けている。
家計に例えれば、競争力があり効率が良い産業社会を実現することは、サラリーマンや中小企業経営者にとっての本業での収入を増やすことに当たる。それに対して金融財政を通じてのマクロ経済対策は、財テクみたいなものだ。
普通、豊かな生活をしたければ、まずは、本業を頑張ることに努力を集中するべきものだ。財テクばかり考えてうまい話を追っかけているような輩はろくでもない。また、それで成功する人は一握りだ。
企業で言えば、財務部の仕事も大事だが、やはり企業の力の根源は、企画・製造・営業などの部門のパフォーマンスなのであろう。財務はしっかり常識的にやるべきことをしておればいいのであって、突飛なことしたらいいことないという方が多いくらいだ。
ところが、日本の国は少なくとも私が通産省に入った1
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