天皇への消極的否定的解釈
憲法学者の芦部信喜氏によると、天皇は「国の象徴たる役割以外の役割をもたない」(1)と言う。
芦部氏の著作は現在でも司法試験・公務員試験受験者にとって必読書であり、氏の影響力は絶大である。立憲民主党会派所属参議院議員である小西洋之氏は安倍首相が芦部氏の存在知らないという事実をもって、安倍首相を批判したほどである
この芦部氏が示した「国の象徴たる役割以外の役割をもたない」という表現は明らかに天皇を消極的否定的に解釈するものである。しかし、これは天皇を正確に解釈したものと言えるだろうか。もちろん「否」であり芦部氏の政治的価値判断が含まれている。
天皇について語るときに「天皇とは憲法1条に明記された存在である」という説明だけで満足するものはいないだろう
天皇は1,000年以上の歴史があり実際「天皇とは何か」という言説は憲法に限らず政治・歴史・文化と言った様々な文脈から語られている。
天皇と憲法の関係について言えば天皇は憲法に明記されているから存在しているのではなく天皇が存在しているから憲法に明記されている存在に他ならない。
天皇は憲法制定前から存在していた。だから憲法に明記したのである。我々はこのことを忘れてはないだろうか。
天皇制度が継続したからこそ戦後日本は安定化した
日本国憲法に署名する昭和天皇(Wikipedia:編集部)
戦後日本では「天皇主権から国民主
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天皇は正当に解釈されているか?
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