サウジアラビアの反体制ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏(59)がトルコのイスタンブールのサウジ総領事部内で殺されてから、今月2日で1カ月目を迎える。殺人がサウジ関係者によるものであったことは捜査側のトルコ当局もサウジ側もほぼ一致してきたが、誰がカショギ氏の殺人を命令したかでは、まだコンセンサスはない。同氏の死体が発見されれば、犯行状況などがより判明するだろう。
殺害されたサウジのジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏(ウィキぺディアから)
ところで、カショギ氏殺人事件だから犯人捜しが最優先されるが、殺されたカショギ氏がどのような人物で、なぜ殺されたのかについてはあまり報じられていない。明らかな点はカショギ氏が亡命先の米国でムハンマド皇太子の政治を厳しく批判し、糾弾したことがサウジ側の怒りに触れたことだ。「カショギ氏はジャーナリストの道に入った当初はムハンマド皇太子のサウジ改革に期待していたが、皇太子の政治が強権と粛清であることが分かり、袂を分かった」(独週刊誌シュピーゲル)といわれる。
カショギ氏は生前、ワシントン・ポスト紙や独週刊誌シュピーゲルにコラムを寄稿し、ムハンマド皇太子批判を繰り返してきた。そこで“アラブの盟主”サウジを震撼させたカショギ氏とはどのような政治信条を有していたのか、そのプロフィールを少し追ってみた。以下、シュピーゲル誌の情報をもとに報告する。
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「カショギ氏殺人事件」1カ月の総括
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