前回のブログでは、「芦田修正」についての記述が舌足らずだったかもしれない。「芦田修正」というと、憲法学では、9条2項に「前項の目的を達するため、」という文言を入れて自衛戦争の留保を狙った、姑息だが失敗した措置として知られている。
しかし私は、それはむしろ憲法学の自作自演の陰謀の産物なのではないか、と疑っている。
実は日本政府憲法改正小委員会(委員長:芦田均)によって修正されたのは、2項だけではない。1項の冒頭の文言「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」も、同じように修正の結果、挿入された文言である。GHQ草案の段階では、そのような文言がなかった。
GHQ草案(日本語)
(英文)
※現在の9条はGHQ草案では第8条
2項の「前項の目的を達するため、」という文言は、1項の目的、つまり冒頭の「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」を指していることは、明白である。1項にも、2項にも、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」という9条の目的を明示しようとしたのが、委員会の措置であった。ただ2度同じ文言を繰り返す必要はないため、2項では、「前項の目的を達するため、」という文言になった。
「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」という文言は、前文で謳われている精神の確認である。
憲法前文で「公正」とされている箇所は、GHQ草案では「justice」と
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「芦田修正」という憲法学の陰謀
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