写真は神田氏。「財界さっぽろ2017年1月号」
アゴラでは、「出版道場」という出版ニーズに応えるための実践講座を年2回開催している。その影響もあり、著者や出版社から献本されることが非常に増えている。良著と思われるものを記事にしているが、今回は、『リーダーが壁にぶちあたったら読む本』(あさ出版)を紹介したい。著者は、神田和明(以下、神田氏)サントリー酒類執行役員。
「スコール! 」「スコール! 」「スコール! 」と、きらびやかな夜景を望む、お台場のパーティー会場に、乾杯の掛け声が高らかにひびきわたった。その乾杯の発声と同時に、渋谷で活躍するユニットバンドのパンチのきいた演奏が会場中に流れる。本書はこのような印象的なイントロダクションで開始されていく。
仕事は上司の背中を見て覚えろ
――まだ時代が20世紀の頃の話になる。当時はOJTが主流だった。研修などで教わるのではなく現場で仕事を覚えろという姿勢が主流だった。
「ある時、得意先から直属の上司へ直接、私に関する電話が入りました。その電話を置くやいなや、私はその上司に呼びつけられ長い時間、自分のいい加減な日頃の言動についてこっぴどく叱られました。当時の上司は、社内であろうが社外であろうが筋の通らないことには絶対に妥協しない人でした。」(神田氏)
「普段は優しかったのですが、いったん怒り出すと迫力があり、震えあがるほど怖かったのを覚えてい
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