日本取材ツアーから戻ったら、大ヒットしているテレビドラマ『人民の名義』のことを知らされた。3月28日からスタートし、すでに計47回シリーズの終盤を迎えている。クラスの学生に聞いたら、半分以上は見ているという。
最高人民検察院、日本でいう最高検察庁と、江蘇省共産党委宣伝部、中央軍事委員会後勤部が制作にかかわっている。政治的な深読みをすると、この仕掛けはかなりえげつない。
習近平総書記の主導する反腐敗キャンペーンで摘発された超大物の代表は周永康・元党中央政法委書記だが、彼の統括下にあって有名無実化していたのが検察であり、裁判所だ。ドラマ中の腐敗案件が主として公安を含む政法部門を舞台としているのも、皮肉な設定だ。また、徐才厚と郭伯雄の元中央軍事委副主席も摘発されたが、その端緒となったのが、軍の資産を管理する後勤部の公金横領事件である。江蘇省閥を形成する現職の李源潮国家副主席は、失脚した令計劃・元党中央弁公庁主任と密接な関係にあり、すでに周辺関係者が根こそぎ取り調べを受け、死に体となっている。
要するに、今秋の第19回共産党大会を前に、制作者自体が自己反省を試される舞台仕掛けになっている。党幹部の教育、庶民に対する反腐敗キャンペーンの宣伝も制作目的の一つに違いない。かつてない大掛かりな反腐敗ドラマではあるが、視聴者にそっぽを向かれては意味がない。人気の政治小説家の作品をもとに、脚本は、恋
スポンサーリンク
権力内の暗殺計画まで描く中国の反腐敗ドラマ
最近の投稿
- 進まない「持続可能な デジタル広告 」の実現。排出される炭素を削減する責任は誰に?
- 世界のニッケル・プラチナ・スパッタリング・ターゲット業界全体規模、国内外シェア、主要企業ランキング2024
- インテリジェントモバイルロボティクス市場調査レポート:世界の産業規模、販売量、市場シェア、トレンド分析2024-2030
- ウォームギアクランプ世界市場の展望と動向分析レポート:規模、シェア、成長機会、予測2024-2030
- 量子コンピュータチップの世界市場レポート:成長、市場規模、競合状況、予測2024-2030
- リアルタイムクロック(RTC)モジュール調査レポート:市場規模推移、シェア、促進要因、トレンド予測2024-2030
- 保育施設に広がるサブスク 紙おむつ使い放題サービスの需要拡大、BABYJOB
- 【名古屋商工会議所主催】起業家やベンチャーの育成拠点「なごのキャンパス」にて、新規事業 …
- 日清食品、「完全メシ」の社食サービス開始 健康経営と働き方改革の両立を推進
- 中国発ネット通販Temu、脱米国に戦略転換か – WSJ発
コメント