1月14日、何カ月にもおよんだクリテオ(Criteo)の新CEO選びの答えがようやく発表された。電通アメリカ(Dentsu Americas)の元トップ、マイケル・コマシンスキ氏だ。
クリテオにとっても、デジタルメディア業界全体にとっても、極めて重要な1年になることが見込まれるなか、同氏は2月から、CEO兼取締役として、メーガン・クラーケン氏の後任を務める。
上場企業CEOの主要な優先課題といえば株価の維持だが、5年におよぶクラーケン氏の在職期間を足場にするコマシンスキ氏が抱える課題は、多方面に渡る。クラーケン氏がCEOを務めた5年間、クリテオは変革期の真っ只中にあった。
クラーケン氏がクリテオのCEOに就任したのは2019年11月のことだった。法律という意味でも、プラットフォームのアップデートという意味でも、データプライバシーをめぐる進展に投資家たちが気を揉んでいた当時、同社は運に見放されていた。しかし、時は流れて、クリテオ新CEO発表の前日には、同社の株価はそこから148%超上昇して、37.72ドル(約5870円)の終値をつけた。
役員間の駆け引き
とはいえ、その当時、クリテオの役員室は限りない喜びで満たされていたわけではない。消息筋によれば、役員と経営幹部のあいだではあつれきもあったようだ。クリテオの
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