アメリカ会計基準の歴史③
アメリカ会計学会(AAA)の「基礎的会計理論」(ASOBAT)(AAA 1966 、飯野訳1969)公表の約10年後、「10年前に提出された基礎的会計理論のステ-トメント(ASOBAT)と同じように、会計理論について現在の考え方を調査し、抽出したステ-トメントを書く」(染谷訳1980、v頁)という任務が、AAAの外部財務報告書概念及び基準委員会に課せられました。 しかし、科学史家ト-マス・ク-ン(Kuhn 1962)の影響を受けて、理論の発展の相対性を説く当委員会による『会計理論及び理論承認』(AAA 1977、以下では『1977年報告書』と略称)は、「したがって、基礎となる土台がまだ確定していないときに、このステ-トメントが、会計に対して、はっきりと認められる概念的な上部構造を提供することはできるわけではない。」(染谷訳1980、1頁)として、会計理論の提示を放棄し、「会計理論のステ-トメント」("A Statement of Accounting Theory")に代えて、「会計理論及び理論承認に関するステ-トメント」("A Statement about Accounting Theory and Theory Acceptance")を作成したと宣言しました(染谷訳1980、vi頁)『1977年報告書』は、「概念的基礎」の提示というAAAの会計原則論の「伝統」を放棄しまし
コメント