知的財産と損害保険
企業活動を行う上で様々な「知的財産権」があります。「知的財産権」とは特許権・意匠権・実用新案権・商標権・著作権を指します。近年、技術開発競争や特許獲得競争が激化する中、技術やブランドイメージ(商標権)に対する「知的財産権」の保護に関して、企業の意識が高まっております。こうした状況の中、企業の生産または販売した製品が第3者の「知的財産権」を侵害したとして、損害賠償請求や差止請求を受けるケースが国内外で増加しています。 知的財産に関する訴訟件数は日本では毎年600件前後で推移していますが、米国では日本の約9倍、中国では約17倍の規模になります。さらに2020年4月施行の改正特許法により、損害賠償請求訴訟が起こしやすくなり、今後日本おいても知財訴訟の件数が増加する事が予想されます。 ひとたび訴訟に巻き込まれると、特に中小企業においては、その対応費用や不当請求を排除するための弁護士費用等が企業の多大な負担になると思われます。しかし、知財訴訟は、自然災害や偶然の事故と違い「大数の法則」が無く損害保険で補償する事が難しい事案です。仮に知財訴訟を受けた時の損害賠償請求を損害保険で補償したならば、その様な保険に加入するのは、知財訴訟のおそれのある企業、いわゆる逆選択となるため日本国内の損害保険会社では引受が消極的でした。 そこで、特許庁が「損害賠償金」は補償出来ませんが、その「訴訟費用等」を保険金
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