多くのリーダーが、失敗を経験したことでその後の成功につながる教訓を得たと言う。ところが驚いたことに、自社が成功した本当の理由を答えられる者は皆無と言ってよい。その理由は、失敗に直面した時はその原因を探ろうとみずからの行動を自問するものの、成功はそうした内省につながらないからだ。成功した人間は、その原因をみずからの意思決定やスキルに求め、偶然の出来事や外部要因を軽視する。すると、自身を優れた意思決定者だと思い込み、自信過剰を生む。結果、成功要因を検証するどころか、勝利に目を奪われるあまり成功体験を再現することに執着して、個人と組織の両方の学習が妨げられる。リーダーは、成功にまつわるこうした障害の存在を認識し、成功が失敗の温床になることを防がなければならない。それには、体系的な事後評価、適切なフィードバック・サイクル、シックス・シグマなどのツール活用、仮説を検証するための実験などの基本的な訓練が役に立つ。
Source: ハーバード
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