数多くの多国籍企業が新興国市場でビジネスを展開しているが、そのほとんどが自国でのビジネスモデルをそのまま持ち込んでいる。利益方程式と業務モデルが同じため、所得水準の最も高い層をターゲットとすることになるが、この層は十分なリターンを生むほどの規模にはなく、苦戦を強いられている。実は、魅力的な巨大市場が別に存在する。ハイエンドの代替品には手が届かず、ローエンドの選択肢がないために基本的欲求が満たされていない層、「ミドル市場」である。この市場で成功を収めるには、まず人々が不満に感じていることを見つけ出し、利益を確保しながら、手頃な価格で、しかも容易に手に入れられる仕組みで提供するという、根本的に新しいビジネスモデルを考案することである。インドにおけるクリーニング・サービス、自家用冷蔵庫、送金サービスなどの事例を通じて、その具体的なビジネス構築法を論考する。
Source: ハーバード
コメント