過去20年間で、文学や哲学のみならず、心理学、経済学、神経科学でも幸福の研究が盛んになっている。科学的なアプローチで主観データの測定や分析を行うことにより、幸福についてさまざまなことがわかってきた。たとえば、幸福になるためには小さな出来事の積み重ねが大切であり、インパクトの大きな出来事は長期的にはそれほど影響を及ぼさないこと、社会性がカギとなることなどである。職場においても、挑戦しがいのある目標を与えたほうが幸福は最大化することが確認されている。近年では、スマートフォンなどの登場により、多数の被験者の瞬間ごとの感情の状態をリアルタイムで把握できるようになっている。ツールの発展に伴って研究手法も進化しており、幸福の条件に関する大まかな類型化を超えた、新たな成果が期待される。本稿では、心理学者のダニエル・ギルバートが幸福研究の概要、幸福の最大化に役立つ方法、最新動向などについて語っている。
Source: ハーバード
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