脱成長という幻想

　市場とは常に周囲の環境に影響を受けながら形を自由自在に変化して存在し続けようとするモノとして認識されるべきだろう。しかし、脱成長を掲げる人々は経済を一定の水準に停止させ続けられると信じこんでいる。つまり、その考え方の背後には経済を静止した存在として見做していることが理解できるだろう。そもそも市場とは、その環境の条件や消費者の需要に合わせて良くも悪くも今現在の最適な形に変化しているモノである。そのために、脱成長経済の前提である市場を静止させ続けるとなると今現在のあるべき最適な姿から離れて非効率で常にその原型とされるモノを守った姿が求められるはずだ。そして、そこには強制力が働かない限りは常に市場が原型を保つことは確実に不可能と言える。またそれに対して脱成長を掲げる人々の中には、等価交換によって常に一定の水準の経済活動を作り出そうとも主張する人々もいる。この等価交換とは、同じ価値のモノと同じ価値のモノを対等に交換するというモノであり、今現在の市場経済の前提である余計に多く生産者に消費者が支払うという前提を否定したモノであるだろう。これについては、商品の価格調整が等価交換にしてしまうと効かなくなってしまうという最大のデメリットがある。この等価交換は、上述したように価格調整が効かないために少数の消費者から高値で商品をやり取りすることで成り立っていた企業活動がなくなってしまうので人々の雇用を

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