2023年7月5日

電池スタートアップ企業ノースボルトを創業したカールソン最高経営責任者（CEO）のインタビューをフランクフルター・アルゲマイネ紙で読んだ。米国のインフレ抑制法（IRA）、アジアの競合企業、電力料金、事業資金など様々なテーマが語られるなかで、従業員確保の取り組みに感じ入った。同社はドイツ北部のハイデにセル工場を建設する意向である。IRAの成立を受け、計画は一時、棚上げになりかけたが、独政府や地元州が支援拡大の姿勢を示したことから、現在は当初の予定通り2025～26年の生産開始を目指している。数千人の雇用を予定している。スタートアップ企業がそれだけの規模の従業員を確保するのは極めて難しい。ただ数をそろえれば良いというわけはなく、適切な知識と技能を事前に身に着けてもらわなければならいためだ。政府はこの課題を引き受けるという。具体的な措置は語られていないが、ハイデ工場で働く予定の人を対象にリスキリングを行うのかもしれない。しかしドイツは専門人材不足が深刻である。リスキリングの対象となる人材はどこで確保するのだろうか。これについてはハイル労相から、今後の雇用縮小がほぼ確実な自動車エンジン関連の人材を充てれば良いと伝えられたという。仮に職場がなくなっても、そこで働く人材は適切な教育を施せば他の産業でも活躍できる。同社はスウェーデン北部のシェレフテオですでにセルを量産している。同工場の従業員の半数

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