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9夜 根本的な原因はどこにあるのか(その2)

 生産年齢人口に占める非正規雇用の割合が,ほぼ40%になろうとしている.長らくこの国は,労働者が終身雇用制度に守られた総中流社会を形成する国家であった.平たく言えば,みんなで収穫した生産物をみんなで分け合う典型的な農耕文化社会であった.ところが,世界的な新自由主義の潮流のなかで,バブル以降の低成長時代まっしぐらのこの国においても,効率化や生産性向上の名のもとに非正規雇用が拡大していった. 当時を振り返ると,郵政民営化をはじめとして無駄な行財政の整理整頓が優先され,その考え方がすべての組織に適応されていくことに,誰もが疑いをもたなかったわけで,そのために,就職氷河期世代が生まれていった.彼らが就職できないことに対して,誰もが自己責任の名のもとに彼らを切って捨てたといっていい.社会全体で,この問題に取り組むという姿勢はついぞなかった. この国の凋落が鮮明になりつつある今になって,彼らをなんとかしなければという共通認識が出来つつあるものの,遅きに失した感があると言わざるをえない.しかも,なんとかしなければという根拠は,年金加入者の減少や労働人口の減少といった点であり,必ずしも彼らに寄り添った解決策の検討という視点に根ざすものであるとはいいがたく,どこかしらじらしさを感じさせるところがあるようだ. こういう視点で,この国の問題を考えるとき,すべてに共通するのは「組織の在り方の停滞」である.

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