2-1 個人事業主という選択
起業家。青年実業家。経営者。アントレプレナー。いずれも仕事ができそうで、お金持ちそうで、格好いい響きのする肩書である。転職を考える際に「自分で起業しようかな?」「親の後を継ごうかな?」と考える人も一定数存在すると想像する。しかし、巨大オーナー企業の御曹司ならいざ知らず、個人事業主を志す際にはぜひ参考にして頂きたい大変な面も知っておきたい。まずは会社が代わりに支払っていた(給与から天引きされていた)金額を把握する必要がある。具体的には税金、健康保険、年金である。サラリーマンは会社が控除しているので気にしている人は少ないと想像するが、一個人という立場になるとすべて自分で払わなくてはならない。サラリーマンも会社が代わりに払っているだけなので負担は変わらないのだが、この負担が目の前に現れると精神的にも金銭的にもショックは大きい。自分の給与明細をよく見ていない人はこれも何かの縁と思ってぜひ見てみて頂きたい。具体的な項目は「健康保険料」「厚生年金保険」「所得税」「住民税」である。この総額を毎月自分の手持ちから支払うと想像すると結構きついことがわかるだろう。私は恥ずかしながら生活苦で健康保険と年金を捻出することができなかった。幸いにも未納期間に大病を患うことはなかったが、コンタクトを処方してもらうために必須の眼科受診で1万円くらいかかった時には日本の社会保険制度の有難みを実感せずにはいられなかっ
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