基づく ~不思議なことなど何もない~
「基づく」とは、何らかの決断を行う際に、ある事柄をその決断の拠り所とすること、根拠とすることを意味する。私たちは、生きていく上で膨大な量の決断を繰り返している。そして、その決断に失敗はつきものだ。たとえば、片思いの相手と交際することを決断し、告白する、という場面を想定してみる。XはYに思いを打ち明け、交際を申し込んだ。だが、Yが「Xは、とても優しい。でも、…」と返答したとしよう。まず、この返答だけでXの決断が失敗だと分かる。理由は、逆接表現「でも」の前後は真逆の内容だからだ。良い評価を示す「優しい」の後に逆接があるのだから、その後の表現は「悪い評価」になるだろう。わざわざ自分に告白してきた相手に悪い評価を述べるのは心苦しい。だから「…」でこの場を切り抜けようという魂胆だ。 この出来事を例に失敗する決断について考えてみよう。本来はXにもYにも、固有の名前や顔、思いや好みがあるため、それらを一般化して考えるのは難しい。さらに、Xが持つ特徴は、人によっては魅力的にも見えるし、そうでなくも見える。そのため、客観的な理由など考えることはできない、という考え方もありうるだろう。だが、告白することに意義があり、結果の成否は問わない、という前提でもない限り、交際が開始されなければXの決断は失敗だ。それでも、折角のXの決断を水泡に帰すのは忍びない。この例を「課題解決」の場面として捉え直すことで対策
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