経営指標が、会社から個性を奪う
会社を創業した時には、その会社固有の特有の個性(〝特長〟)があった。しかし時が経つにつれ、 個性は他社と比べた〝特徴〟(A社と比べて~、B業界の中では~) に変わっていく。 評価も創業時は絶対評価であったのが、 いつからか他社との相対評価に変わる。他社と比べるために他社と同じ経営指標を、 自社を測るモノサシとして使う。 決められたモノサシの目盛で、自社そして他社を評価する。相対評価に使う経営指標はわかりやすい半面、 似たような数値にまとまり同質化してしまう。特長的な数値は会社の個性を表現していたにもかかわらず、 業界内の基準値や業界トップの数値を目指す経営をする。 売上高利益率や営業利益率などの数値を意識した、 他社と似たような経営をするようになる。結果、創業時にあったその会社だけにあった個性が埋没し平準化され、 個性のない平凡な会社になる。個性を伸ばすよりも、他社に見劣りしない会社を目指すようになる。 尖った個性は削りとられ、小さくまとまった同じ顔をしたカタチになる。個性のない会社に変わると、会社からは魅力が薄れ、 個性のあった人たちは会社を去っていく。会社に残る人たちは同質化した人たちの集まりになり、 結果会社から多様性が奪われる。 多様性のない組織からは決して、イノベーションなどは生まれない。 これは、会社だけではない。社会でも同じようなことが起こり、多様性が奪われていく。
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