芸術分野に税金が投入されることに対して「どんな意味があるのか」としばしば問われる。日本ではなかなか定量的な検証が進まないなか、イギリスではプロジェクトごとに「雇用にどんな影響を与えたか」などの経済効果の推計がなされてきた。だが、「それだけでは足りない」としてさらなる多面的な評価軸の設定とそのための方法論を提言したのが、英国政府機関AHRC(芸術・人文学研究会議)〈文化的価値プロジェクト〉の報告書をまとめたジェフリー・クロシック、パトリツィア・カジンスカ『芸術文化の価値とは何か 個人や社会にもたらす変化とその評価』(水曜社)である。文化・芸術プロジェクトの価値とは何なのか、定性的な評価に留めることなく、公金投入の成果はどうすれば測定・検証可能なものになるのか? 日本の文化行政の参考にもなるだろう同書の議論を紹介しよう
Source: 現代ビジネス
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