人事労務の課題、何から手を付けますか?
見えない課題を“氷山モデル”であぶり出す社会保険労務士として長く経営相談をしていると、同じ過ちを繰り返してきた企業が多いことが分かります。 これについては、以前の記事「人事課題への対応はオーダーメイド。回答はひとつではない!」でも述べましたが、その場しのぎの対策を講じて当面の危機を逃れたら、また痛みを忘れて同じことを繰り返す、という負のループに陥っているのです。 「なぜうちの会社は離職率が高いのか?」「どうしてスタッフのスキルが伸びないのか」「お金をかけて人事評価制度を入れたのにうまくいかない」などといった悩みが長く解消されないのであれば、問題と対策に走る前に本当の原因を探すことです。 課題解決への糸口の1つとして、「氷山モデル」というものがあります。 会社が前述のような悩みを抱えている場合、これら表面化した問題に対し、水面下にはもっと様々な原因が存在していることが多いものです。いわゆる「氷山の一角」でその水面下に巨大な質量が隠されているように、職場の問題も見えない部分の方がより大きく複雑です。 見える問題としては、ハラスメントなど職場秩序の乱れや、労働時間・休暇取得に関する問題、待遇面の不満などの現象として現れますが、見えない問題は、今までに会社内で繰り返し起こったこと、その流れをつくりだしている暗黙の了解、隠された価値観など、これらが絡み合った末に職場の雰囲気に悪影響
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