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『コーポレートファイナンス・戦略と実践』

◇1830 『コーポレートファイナンス・戦略と実践』 >田中慎一・保田隆明/ダイヤモンド社ファイナンス関係の本を見ると、ついつい買ってしまう。何か1冊、自分にとっての基準書を決めて、その本を何度も読み込むべきなのであろうが、ついつい新しい本を見ると買いたくなってしまうのだ。本書は書店でピンク色の美しい装丁に目をひかれ、しかも著者が保田さんということで、即買い。早速読み始めたのだが、理論と実務のバランスがよく、知的好奇心をくすぐられながら、一気に読了してしまった。本書はどちらかというと、マーケットが企業をどのように見ているかという視点で書かれている。マーケットの視点を踏まえたうえで、企業がどのような財務戦略を採るべきかを論じている。最近は、資本コストを意識した経営が日本でもようやく根付き始めた感があり、そういった意味では時勢を得た出版である。ただし、本書は多少の会計やファイナンスの知識がないと、読み進めるのはしんどいかもしれないとも感じた。筆者ご自身も、できるだけ分かりやすく基本的なところに立ち返って説明をされてはいるものの、500ページにも満たない書籍で、基礎から語りつくすことは難しいであろう。個人的には、投資銀行や証券会社の実務の世界で、ファイナンス理論がどのように使用されているのかを垣間見ることができて非常に面白かった。理論としては、自分でもそれなりに勉強してきたつもりなので、

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