SDGs達成や社会課題の解決のために、「芸術」には何ができるのか?
SDGs達成のためのヒントをさまざまな識者に伺う、本連載。今回のゲストは、アーティストの日比野克彦氏です。日比野氏は、長きにわたり国内外でさまざまな芸術活動を展開し、2022年4月には、母校である東京藝術大学の学長に就任しました。
インタビューの冒頭、「SDGsの17の目標には、“芸術”という言葉が一つも入っていない」と切り出した日比野氏。
企業や社会がSDGsに取り組むときに芸術には何ができるのか?
東京藝術大学の取り組みを交えながら語っていただきました。
SDGsは、アートの社会的な役割をアピールするきっかけになる
──そもそも、芸術とSDGsがどうつながるのか、イメージしづらい人も多いと思います。日比野さんは、SDGsや社会における芸術の役割についてどう考えていますか?
日比野:芸術が社会的なものに対して機能するのかという問いについて、多くの人たちはいまだに芸術は美術館で見たり、音楽ホールで聴くものと捉えていると感じます。そして、一部の訓練をした人が芸術家、表現者になると考えている。すなわち、すごく限られた世界でしか芸術が機能していない現在において、もっともっと芸術が社会に機能していく必要がある。芸術にはその力があるのに、まだ発揮しきれていないことが課題です。芸術の大いなる力、魅力というものを発揮
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