献花台のある施設は、平和祈念像からも目と鼻の先だ。
「礼拝所不敬罪」……そんな聞き慣れない犯罪が注目を集めている。
きっかけは、長崎市の平和公園「原爆無縁死没者追悼祈念堂」の焼香台で焼き肉をした疑いを持たれている52歳男性が4月29日、この容疑で逮捕されたことだった。『朝日新聞』デジタル版によれば、「市職員からの通報を受け、浦上署は平和公園周辺の防犯カメラなどを捜査。同日午後、公園近くにいた男に任意同行を求め、29日午前0時50分ごろ逮捕した」という。
聞き慣れない犯罪だが、警視庁統計によると2019年にも123人が検挙されていた。およそ3日に1人が検挙されているとは、意外と多い印象だ。(取材・文:昼間たかし)。
過去にはどんなケースが?
この犯罪は、刑法188条1項で次のように定められている。
1.神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、6月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。
ざっくりいうと、お墓や神社仏閣などを汚したり、イタズラをすると罪になるというもの。過去には墓石を倒したり、落書きをしたり、あるいは霊園にゴミを捨てて逮捕されている。
10年以上前の話だが、写真家の篠山紀信氏が、この罪で罰金を命じられている。
『毎日新聞』2010年6月9日付朝刊などによると、篠山氏は2008年10月に東京都港区の都立青山霊園で女優を全裸で墓石
コメント