ビジネスの基本は「フィット感」にあり
「オリジナリティ」を持つ“元気な会社”のヒミツを、電通「カンパニーデザイン」チームが探りにゆく本連載。第16回は、福島の中心街で5代続く眼鏡店が入る自社ビルをリニューアル。食堂や生花店、ギャラリーなど、さまざまなテナントを誘致することでマルチなビジネスを展開する藪内時計眼鏡店。その経営哲学の真髄に迫ります。
藪内くんとは、旧知の間柄だ。あえて藪内くん、と言わせてもらったが、藪内時計眼鏡店の藪内社長とは、プライベートも含めて仲良くさせていただいている。老舗の眼鏡店の5代目。それだけでもう、友人とはいえ畏敬の念しかない。でも、本人はいたって朗らかで、フレンドリーな男だ。だからこそ、多くの人を引きつける。
商店街にある個人経営の眼鏡屋さんのイメージは、家族経営の小さなビジネスというものだ。でも、藪内社長は、その眼鏡屋さんが入っているビルを「ひとつの街」のようなものにしたい、と言う。一体、どういうことなのか。
僕自身は、電通でアートディレクターとして活動している。中心となるのは「デザインとディレクション」だ。デザインやディレクションをする時、チームワークとか、時代の空気感、その先で触れる人々のこと、つまり、自分が作りたい世界観みたいなものよりも大事なものがある、ということを折に触れ、痛感する。藪内くん、いや、藪内社長には、今回そのあ
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