優秀人材を見落とす「できる人」
言うまでもなく採用面接は、企業にとってとても重要な仕事です。最終面接に近くなればなるほど、組織内の上位の意思決定者、つまり「偉い人」が面接担当者として現れます。
この「偉い人」は、同時に「できる人」であることが多いです。仕事ができるから、偉くなったわけです。しかし、きわめて残念なことに、仕事ができる人は、実は面接が下手クソな場合がとても多いのです。このことが、日本の採用面接の精度が一向に高まらず、ミスマッチが生じる原因のひとつになっていると感じます。(人材研究所代表・曽和利光)
仕事ができる人は「持論」でものを考える
変化の激しい現代では、どんな事業でもスピードが重要です。決済者の意思決定のスピードが事業の成否を決める、といっても過言ではありません。
そこで「できる人」は、過去の経験から導き出した独自の持論を持って判断速度を上げようとします。いちいち一から考えるのではなく「こういう場合は大体こうだった」と決めるのです。このような問題解決手法を“ヒューリスティック”といいます。
対して、一から順に手順を追って考えていく手法を“アルゴリズム”といいます。こちらは正確ですが判断速度が遅く、未知のことには対応できません。「できる人」は良いヒューリスティック(≒持論)を持っているから仕事が速く、成果が出せるわけです。
しかし採用面接では、ヒューリスティックで人
コメント