Law Practice 商法 問題15
第1.小問(1)1.Y社は、Xという特定の株主のみから自己株式を取得しているが、これが会社法の手続に反した違法な自己株式取得に当たるか。(1)株式会社が、株主との合意により 特定の株主から自己株式を有償で取得するためには、株主総会の特別決議(会社法309条2項2号)によって 取得する株式の数・種類、取得対価の内容と総額、取得期間(会社法156条1項)、特定の株主から自己株式を取得する旨(会社法160条1項)を定め、また、他の株主に対し 売主追加請求権(会社法160条3項)の行使ができる旨の通知(会社法160条2項、会社法施行規則28条)をしなければならない。(2)本件では、上記自己株式取得について、Y社は取締役会決議を経たのみであって、株主総会特別決議 も 他の株主に対する売主追加請求権の行使ができる旨の通知 もなされていない。(3)そのため、上記自己株式取得は違法な自己株式取得である。2.では、Yは、上記自己株式取得が違法な自己株式取得であることを理由に、Xに対してその無効を主張することができるか。(1)会社法による自己株式の取得手続規制の趣旨は、会社の資本維持 及び 株主間の平等取扱いを図る点にあることから、違法な自己株式取得は無効であり その無効は会社のみが主張できると解する。もっとも、取引安全を図るため、違法な取得であることにつき善意の相手方には、会社はその無効を主張できな
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