しかし堺屋もまた、具体的な未来像となると、『知価革命』の中ではセコイことしか説明してくれませんでした。「ネクタイは材質・品質よりも柄やブランドで売れる」といったことをモゴモゴと言っただけだったのです。官僚出身で経済評論家である彼としては、「売れること」「儲かること」「企業が大きくなること」「日本経済が成長すること」が絶対の正義であり、どうしても疑えない価値観なのです。世界中の人がそれに向かって邁進(まいしん)するのが正しく、普遍的なことだという思い込みからは、堺屋もどうしても解放されなかったといえるでしょう。だから、イケイケのお姉さんが「上から下までブランドで固めるぅ? なにそれぇ?」と言う時代に変わっても、「これからのネクタイはブランドだよね」という位置からは動けません。だいたいそんなこと言われても、「じゃあ、そのブランドになるっていうのにはどうすればいいの?」という肝心なことにはさっぱり答えられないのです。せいぜい、「これからの企業は、つまりなんだ、そういうことを一生懸命に考えないとねっ」と言うだけなのです。せっかく堺屋の価値観に同調して、日本経済の成長を心から願う優秀勤勉な会社人間のお父さんたちも、これでは困ってしまいます。続きをみる
Source: Note 起業ニュース
スポンサーリンク
◆経済的視点の限界
最近の投稿
- 名古屋土産「小倉トーストラングドシャ」なぜ人気 「ゆかり」「赤福餅」に続き、3位にランクイン | 食品 | 東洋経済オンライン
- 目指すなら今?行政書士「外国人支援」の深い魅力 外国人コミュニティーの「縁の下の力持ち」に密着 | 経営 | 東洋経済オンライン
- ブラザー工業による同意なき買収 – ローランドディージーがMBO価格を引き上げ
- 「キーが打てない」30代男性を襲った"まさかの病" 体験者「安易な自己診断と思い込みには注意を」 | 病気の“事件簿” | 東洋経済オンライン
- 進む!OKR
- 窓掃除で気づいた、給料が上がらない理由
- 50代社長のための売れるランディングページ作成ガイド_第1章ランディングページとは?
- 中小企業こそ外部の意見を聞くために、社外取締役をおくべきだというドラッカーの教え
- わが子がIQ70以上85未満の「境界知能」かもしれないと思ったらどうすればいい?児童精神科医に聞く – from AERAdot.
- 日本の「半導体業界復活」に絶対的に必要な3つ 補助金付は企業を弱体化させるだけだ | 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」 | 東洋経済オンライン
コメント