しかし堺屋もまた、具体的な未来像となると、『知価革命』の中ではセコイことしか説明してくれませんでした。「ネクタイは材質・品質よりも柄やブランドで売れる」といったことをモゴモゴと言っただけだったのです。官僚出身で経済評論家である彼としては、「売れること」「儲かること」「企業が大きくなること」「日本経済が成長すること」が絶対の正義であり、どうしても疑えない価値観なのです。世界中の人がそれに向かって邁進(まいしん)するのが正しく、普遍的なことだという思い込みからは、堺屋もどうしても解放されなかったといえるでしょう。だから、イケイケのお姉さんが「上から下までブランドで固めるぅ? なにそれぇ?」と言う時代に変わっても、「これからのネクタイはブランドだよね」という位置からは動けません。だいたいそんなこと言われても、「じゃあ、そのブランドになるっていうのにはどうすればいいの?」という肝心なことにはさっぱり答えられないのです。せいぜい、「これからの企業は、つまりなんだ、そういうことを一生懸命に考えないとねっ」と言うだけなのです。せっかく堺屋の価値観に同調して、日本経済の成長を心から願う優秀勤勉な会社人間のお父さんたちも、これでは困ってしまいます。続きをみる
Source: Note 起業ニュース
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◆経済的視点の限界
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