山田監督、どうして今寅さんは帰ってきたんですか。<ほぼ全文掲載スペシャル>
山田洋次監督、高崎卓馬氏
僕は山田学校の生徒です。2011年にサントリーのオランジーナで「ムッシュはつらいよ」というキャンペーンを立ち上げたのですが、コマーシャルをつくるたびに毎回、松竹にある監督の部屋で何時間も企画をさせてもらっていました。
カット割りのこと、喜劇とは何かということ、映画のこと、昔のこと、今のこと、本当にいろんなお話をしてもらいながら、いっしょに企画をしました。なんと贅沢な時間だったか。そこでの学びは振り返るとそれ以降の自分のアウトプットにかなり大きな影響を与えています。
そんな山田学校での学びを一部でもみなさんに共有したいと思って山田監督にお声がけさせていただきました。監督は当日1時間半惜しみなくいつものように、たくさんのお話をしてくださいました。
本来電通報は数千文字程度で連載されていくものだそうですが、あの場にあった奇跡のような濃密な時間を少しでも再現したいので、編集の皆さんに無理を言ってあえて「ほぼ全文掲載」という形にしてもらいました。そういえば、このデザイントークはもともと僕の新しい小説の刊行がきっかけで企画されたものですが、監督の話が面白過ぎてすっかり忘れていました。(文責・監修 高崎卓馬)
<目次>
▼50年かけてつくった映画
▼笑いをつくるということ
▼つくり続ける理由
▼渥美清という人
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