松井大阪市長(市HPより)
本稿では、松井大阪市長が「福島原発の処理水を大阪湾に放出する用意がある」と述べたことに賛同する立場から、これを実現するための課題を関係資料から整理・克服した上で、大阪湾に限らずむしろ日本全国の「内水」に放出すべきだ、との筆者の持論を述べる。
韓国が福島処理水をIAEAに持ち出し、東京五輪に結び付けるのは、他人の弱みに付け込む卑劣な所業で、日本国民として断固排斥すべきだ。だが、それには我々自身が事実に対する無知とそれゆえの偏見を克服し、流言飛語(デマを含んだ風評)を払拭して、福島処理水を弱みでなくす必要がある。
関連する国際法
9月17日の拙稿「福島原発処理水の船舶による海洋投棄はできるか」で、「国連海洋法」や「ロンドン条約・議定書」を見る限り、船舶による海洋放出はできないとし、陸からならば処理水が安全基準を満たしている限り放出を禁止する国際法は見当たらず、現実に世界中の原発から海に流されていると書いた。
先ずは本稿で書こうとすることが、この前稿に矛盾しないことを説明する。
「ロンドン条約1996年議定書」(以下、議定書)の第7条「内水(ないすい)」の条文は以下の通りだ。(以下、太字は筆者)
この議定書の他の規定にかかわらず、この議定書は、2及び3に規定する範囲においてのみ内水に関係するものとする。
締約国は、内水である海域における廃棄物その他の物の故意
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