フィデューシャリーというのは英米法の用語で、他人から信じられて何かを託された人のことであって、その人の負う責任がフィデューシャリー・デューティーである。日本でも、企業年金の責任に関して、参照されることがある。
画像:123RF
これに関して面白い事案がある。九州石油業厚生年金基金の訴訟である。この訴訟は、自ら極端に逸脱した資産運用の判断を行い、その結果、巨額な損失を受けた基金が起こしたもので、資産管理を受託していた信託銀行に対して、信託銀行には基金の暴走逸脱を止める助言義務があったとして、損害賠償を求めたものである
いうなれば、自己の不適切な行為を棚上げし、その不適切な行為を止めなかった信託銀行を訴えるという醜悪な裁判である。一審では基金の全面敗訴だが、判決は、米国の制度においては、そのような助言義務が受託者にあることに言及したうえで、日本の制度は異なるとしていた。
米国では、フィデューシャリー間の一種の連帯責任が認められることから、フィデューシャリーとしての信託銀行も、フィデューシャリーとしての基金の資産運用管理責任者と同等の義務を負い、故に、基金の暴走を止める責任が信託銀行にもあったことになる。
しかし、もしも、そうならば、そもそも、本件のような事態は事前の信託銀行からの牽制によって未然に防止されたはずであり、ましてや、このように連帯責任を負うフィデューシャリー間で争うという醜
スポンサーリンク
九州石油業厚生年金基金訴訟の怪
![](https://xn--9ckkn2541by7i2mhgnc67gnu2h.xyz/wp-content/uploads/2019/09/190906.jpg)
最近の投稿
- イラン大統領選は改革派優勢、仏下院選は極右大躍進…「選挙イヤー」は波乱の展開 – 経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層
- 「高専卒のエンジニア」がセブン銀行社長になったワケ、目指した「魂を込めたATM」とは? – きんざいOnline
- ナイキ、米ランニングブーム生かせず – WSJ PickUp
- 【新一万円札の顔】日本資本主義の父・渋沢栄一が、バレバレの居留守でごまかそうとした「やばい行為」とは? – 東大教授がおしえる さらに!やばい日本史
- 東武日光線「ギリギリ埼玉県内」の3駅に何がある? 群馬・栃木・茨城の県境近い栗橋から柳生まで | トラベル最前線 | 東洋経済オンライン
- 「気の利いた感想」が言える人になる、たった1つの方法【書籍オンライン編集部セレクション】 – VISION DRIVEN 直感と論理をつなぐ思考法
- バカラの戦略的アプローチ:パターン認識の理論と実践
- Twitter/X alternative Mastodon appeals to journalists with new ‘byline’ feature
- X weighs adding a downvote button to replies — but it doesn’t want to emulate Reddit
- 【成長段階を無視してはいけない】
コメント