首脳会談など重要な会議では開催前には議題設定が行われる。何をテーマとして話し合うかだ。そして朝鮮半島に関連する一連の首脳会談には絶対欠かせられない主要議題(アジェンダ)があった。朝鮮半島の「非核化」問題だ。具体的には、北朝鮮の非核化だ。
板門店でトランプ大統領、金正恩委員長、文在寅大統領の米朝韓3国首脳が結集(2019年6月30日、韓国大統領府公式サイトから)
米朝、日米、日米韓首脳会談から先進主要国会談(G7)まで、朝鮮半島問題では北朝鮮の非核化問題は最大の議題の一つと見なされてきた。そして多くの首脳たちが北の非核化促進を訴えてきたが、ここにきて「北の非核化」を叫ぶ声が聞かれなくなってきた感じがする。
理由はある。北がこれまでの最後の核実験(2017年9月)後、2年余り核実験を控えてきたからだ。北が米朝首脳会談推進中は一種のモラトリアムとして、核実験を控えているからだ。しかし、北が非核化を実行している兆候はみられない。
米国の衛星写真などによると、寧辺周辺核関連施設で活動がみられる。一部報道では、5MW黒鉛減速炉の再操業を報じる記事があった。ウラン濃縮活動をカムフラージュするための恣意的な攪乱工作だろう。少なくとも5MW黒鉛減速炉はもはや博物館入り寸前だ。正常な活動を再開するためには膨大な資金と労力が必要となるから、北は古い原子炉から核燃棒を回収し、それを再処理してプルトニウムを
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