1. 本稿の趣旨
前回の寄稿では半導体材料輸出規制の内容について概観したが、これが幸いにして好評を博したようなので、今回は「徴用工問題への対応」に決して止まらない今回の措置の背景事情を説明させていただこうと思う。具体的には、今回の輸出管理の運用の見直しの狙いの整理、韓国の不適切貿易管理の実態、その背後にある中国製造2025をめぐる国際緊張、についてまとめることとする。
韓国大統領府Facebookより:編集部
2. 制度見直しの狙いについての整理
前回の記事でも述べたように今回の輸出貿易管理体制見直しは、
A 韓国をホワイト国としたままで特定3品目(フッ化水素、EUV用レジスト、フッ化ポリイミド)については即座に包括輸出許可から個別輸出許可に切り替える
B 韓国をホワイト国リストから外す
という二重構成になっている。(なおレジストについては、適用が最先端のEUVプロセス向けのものに限られることからEUVレジストと表記している。)この二つの措置は連動して大きな目的の達成を目指すものではあるが、それぞれの措置が実現する法律効果は当然異なる。経済産業省はパブリックコメントの説明資料において、A、Bの改正目的を一括して
「大韓民国の貿易管理に係る規制(キャッチオール規制)が不十分であることに加え、同国との信頼関係が著しく損なわれた中で、同国の貿易管理制度の適切な運用の確認が困難になったこと
スポンサーリンク
韓国への輸出規制の背景に見え隠れする中国の国家戦略(特別寄稿)
最近の投稿
- AI時代にムダなインプットを減らすために意識したいこと 『トップ5%社員』シリーズ著者・越川慎司氏が教える仕事術
- 【006】既存事業と近い新規事業である場合の顧客の見つけ方― 顧客理解を起点とした新規事業の成功 ―
- 【はじめに全文公開】君は戦略を立てることができるか 視点と考え方を実感する4時間(音部大輔)
- デフォルト設定からの脱却:顧客に合わせた最適化がビジネスを加速させる
- スマホ化する自動車が半導体の需要を押し上げる⁉
- ~「かがわDXLab」の取組みを通じたサービス創出~香川県域における引越し手続きワンストップサービスの提供を開始します!
- なぜ会議が終わらない?会社員を悩ませるコミュニケーションコストの正体と解消法【10,653 文字】
- 茨城交通、「ひたちBRT」でレベル4運行開始–国内最長距離、中型バス初の営業運行
- "都内第2の選挙区"を要求した「公明党」の腹の内 委員会決議からも退場、背後に秘めた思惑は? | 国内政治 | 東洋経済オンライン
- 中国鉄鋼業界の「過剰生産体質」が生む輸出の洪水 2024年の鋼材「純輸出量」が初めて1億トン突破 | 「財新」中国Biz&Tech | 東洋経済オンライン
コメント