昨日(7月5日)公表された2018年度の運用利回りは1.52%で、3年ぶりに目標未達となった。
しかも、前回の財政検証の、2055年度に積立金が枯渇するシナリオであるケースHの2.3%を下回る水準で、事態は深刻。
運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いた実質的な運用利回りは0.57%で、これもケースHの実質的な運用利回り1.0%を下回る水準。
運用は単年度で見るべきではないというが、言い訳に過ぎない。財政検証で示された年金財政上必要な運用利回りを「毎年度」確実に確保することを基本とすべきである。
単年度の未達分をいったいどこで取り返すのか。将来の運用でなんとかしますでは心もとない。カナダのように保険料を引き上げたり、給付を減らすような短期で調整する仕組みを持つ国もある。将来の運用で未達分を取り戻せなければ、それはスライド調整の長期化で帳尻を合わすしかなく、要は、将来世代の年金減額によって埋め合わすことになる。
とにかく、安倍総理が言うほど運用は堅調ではない。政府は、運用成績も含めた財政検証を速やかに出すべきだ。
加えて、2018年度のTFP(全要素生産性)上昇率の実績値は0.3%で、ケースHの0.5%にも及ばない水準。結局、前回の財政検証では想定していなかったぐらい最悪の状況で、いよいよアベノミクスの限界が露呈してきている。
運用成績は、将来の給付水準に影響する。目標未達の分(=年
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