1人より、2人の方が賑やかで良い、とはいえない。当方が住むオーストリアには2人の日本大使が赴任されている。1人はオーストリアとの2カ国間を担当する小井沼紀芳特命全権大使だ。もう1人は国連を含む国際機関を担当する在ウィーン国際機関日本政府代表部の北野充特命全権大使だ。
船頭が多いとどうしても争いやいがみ合いが起きてくるものだ。外務省から派遣された2人の大使の間で権限争い、領域争いが起きたとは表立っては聞かないが、全く平和共存関係かというと、そうともいえない。オーストリア担当大使館所属の日本人外交官がウィーンの国連機関を訪ね、会議に参加していたというニュースが国際機関担当の日本大使館関係者の耳に入った時だ。
「なぜ、君は国連にきているのかね」といった不審な顔をされたという証言を関係者の口から聞いたことがあるから、やはり小国に2人の日本大使がいるのは財政的に贅沢すぎるだけではなく、人間関係で様々な不祥事が生じる原因ともなるわけだ。
ところで、欧州の中立国スイスに2館のベネズエラ大使館がある。もちろん、2人の大使、外交官がいることになる。首都ベルンと国連機関がある国際都市ジュネーブにだ。自国の大使館が2館ある場合、スイスに住むベネズエラ国民が旅券の延長や領事関係の要件で大使館に足を向けるとき、どちらの大使館に行けばいいのか、と戸惑ってしまうだろう。そんな話がスイスの公共ニュースサイト「スイ
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