彼らも僕らも悩んでいる『なぜリベラルは敗け続けるのか』
リベラルってそんなに狭量なんですか
岡田憲司『なぜリベラルは敗け続けるのか』(集英社インターナショナル)。帯には「私は本書執筆で『友』を喪う覚悟を決めた――著者」とあります。一体、どんだけ手厳しくリベラル批判をしているのかなとページをめくってみると、やさしい口調で諭すように、噛んで含めるように、自身の体験、失敗さえ交えながら「リベラルのこれからの現実での戦い方」を説いていました。
驚きました。「こういう言い方をしてもリベラルの中では友を喪う可能性があるのか!?」と。
なぜリベラルは敗け続けるのか
筆者の岡田憲治氏は専修大学法学部教授。がちがちに思想を固めている運動体の中心にでもいれば、確かに身内批判はご法度かもしれない。しかし学者となれば付き合っている「友」の範囲は広く学のある人たちなんだろうに…と思うのですが。
おそらく「こちらを批判するってことは、あちらを認めるってことですか!」という単純な二元論があり、リベラルに限らず保守も含めた日本の議論の「硬直化」をもたらしており、「閉塞感」を生み出しているのでは、とさえ思います。それを憂いているのは右派の私だけでなく、リベラルである筆者の岡田氏も一緒ではないか? むしろ政治的に「敗け続け」ているリベラルの危機感が、本書からはビシビシ伝わってきます。
3つのハイライト
次に、この本の中で特に印象的だった箇所を3点、ご紹介します。
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