ルノー・日産問題について八幡和郎氏が私の記事に反対の説を述べられたので、それに少しコメントしたい。八幡氏と私の事実認識にあまり違いはないと思うが、そこから導かれる結論は真逆になっている。
3月12日の共同記者会見に望んだルノーのボロレCEO、スナール会長、日産・西川社長(日産サイトより:編集部)
八幡氏が指摘しているように、日産の2019年3月期の通期業績見通しが下方修正されて営業利益が前年同期比44.7%の減益となり、企業価値の毀損が進んでいることは事実だ。そして、この減益の要因の一つとしてゴーン事件が販売へ影響したことも、日産自身が認めている。
また、八幡氏も、そして私も前の記事で述べたように、ほぼ半数近い株を保有している大株主のルノーは、日産との経営統合をやろうと思えばいつでもできることは間違いない。
それでは、八幡氏が言うようにルノーが日産をできるだけ早く経営統合すれば日産の劣化を止められるかというと、私はそうは思わない。
現在のルノー・日産問題に関する一般の日本人が抱いている思いは、一つはカルロス・ゴーンがけしからん銭ゲバで、容赦ないコスト削減で経営をV字回復させたかもしれないが、日産を食い物にした悪人という思いであり、もう一つはルノー、そしてその背後のフランス政府は、日産の電気自動車の技術をわがものとする利己的な意図で、強引に経営統合を進めようとしているというものだろう
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