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正義の「抜け殻」と化した検察官:国循事件控訴審、検察「弁論放棄」

経済ニュース
4月16日、大阪地検特捜部が、国立循環器病研究センター(以下、「国循」)の元医療情報部長の桑田成規氏を逮捕・起訴した「国循事件」の控訴審第2回公判期日が開かれ、最終弁論が行われて結審した。判決は、7月30日午前10時半に言い渡される。
私は、大阪地裁での一審で、桑田氏に対して、懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決が言い渡された後に、控訴審での主任弁護人を受任した。控訴趣意書を提出した時には【“国循事件の不正義”が社会に及ぼす重大な悪影響 ~不祥事の反省・教訓を捨て去ろうとしている検察】、第1回公判期日では【情報システムの世界に甚大な悪影響を与えかねない“国循事件”の展開】と題する記事で、この事件の内容や捜査、公判の経過を伝えてきた。
厚労省現職局長の村木厚子氏を逮捕・起訴した事件で無罪判決が出た直後に、主任検察官による「証拠改ざん」が発覚し、厳しい非難にさらされ信頼を失墜した大阪地検特捜部が、その不祥事以降、初めて着手した本格的な「検察独自捜査」が、この国循事件だった。組織の信頼回復をめざし、取り組んだ事件だったはずだ。
しかし、この事件の捜査、公判において明らかになったのは、まさに、誇りも矜持も失った「抜け殻」のような検察官の姿だった。
事件の舞台となった国立循環器病センター(Wikipedia:編集部)
事件の発端
国循の情報システムの受託は、従来からN社が独占しており、運用・保

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