人は年を取ると自分が生まれた故郷に戻りたくなるのだろうか。普段は仕事にかまけて忘れていた故郷が突然、「帰っておいで」と囁きかけてくるからだろうか。「彼が国に戻ろうと考えているらしい」という情報を聞いてそんな思いが湧いてきた。
▲駐オーストリアの金光燮・北朝鮮大使(2015年12月に開催された国連工業開発機関=UNIDO総会で撮影)
駐オーストリアの北朝鮮の金光燮大使の話だ。同大使は1993年3月18日にオーストリアの北朝鮮大使として赴任して既に26年が過ぎた。もちろん、ウィーンの外交界では最長駐在記録の保持者だ。3月が来るたび、「彼はまだオーストリアにいるのか」と少々ため息交じりに語る同胞の外交官もいるぐらいだ。金大使はトーマス・クレスティル、ハインツ・フィッシャー、そして現在のファン・デア・ベレンの3代の大統領を知っている数少ない外国外交官だろう。
「金大使はウィーンが大好きだ」、「彼はウィーンに骨を埋めるつもりだ」といった声が過去、ウィーン外交界で囁かれてきた。海外に駐在することは北朝鮮大使にとって大きな特権だ。その特権を自ら返して祖国の平壌に戻りたいと考える北外交官は本来、いない。
金大使の場合、奥さんが故金日成主席と故金聖愛夫人との間の長女、金敬淑さんであり、金正恩朝鮮労働党委員長の叔父さんにあたる人物だ。金ファミリーの一員として、これまで多くの特権を享受してきたはずだが、
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北朝鮮大使の「26年後の望郷」
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