「ミドル・シニア社員問題」とは何か
今回は、最近クローズアップされている「ミドル・シニア社員のキャリア自律」のあり方を取り上げ、課題の背景や、この世代の人たちがいかに自らのキャリア構築に取り組むべきか、当事者の立場・視点から考えてみましょう。
ここで取り上げる「ミドル・シニア社員」とは、主に非管理職または肩書だけの部下なし管理職等で、40代半ばから60歳代に至る世代の社員を総称するものです。次に、50歳代以降の役職定年、60歳以降の定年や再雇用、さらに65歳以降の再雇用契約終了などを迎える、キャリア終盤の節目にある社員、またはその準備期にある世代層の社員です。
経営視点から見る「ミドル・シニア社員問題」とは、このキャリア段階の社員が社内で働き続ける意欲を持てず、今後の自らのキャリアや退職後の見通しに不安のある状況や、実際に活躍の場を持てずいわば「社内失業」にある状態です。さらに周囲の後輩や上司がうまく関われず、対応に苦慮している状況などと捉えられるでしょう。この問題も、前回までのコラムで触れてきた日本型雇用の生み出した一つの結果であり、中高年社員の比率が高まるなかでよりクローズアップされてきた課題です。
現在の50歳前後は、就職時はバブル経済の絶頂期の頃で大企業に就職する比率が最も多かった世代です。そして、正に日本型雇用の代表的企業で、終身雇用・年功序列のエスカレーターに乗り、会
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