働き方改革の一環として、正社員といわゆる非正規社員(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との間の待遇差是正を図るため、「同一労働同一賃金」への関係法令の改正がなされました。同法施行は2020年4月(中小企業は2021年4月)ですが、すでに多くの企業が移行に向けた取り組みや模索を始めています。
同改革をめぐっては、企業経営に与える負担や、「同一労働」を特定・評価する困難さ、また安易な均一処遇化による労働者間の不満やモチベーション低下への懸念など様々な問題が指摘されています。同法施行を前にどのように考え対応することが望まれるか、人材育成のあり方の観点も含めて考えてみましょう。
動き始めた正社員の処遇引き下げ
平成の30年間に、企業は非常に厳しい経営環境の中で苦しみながらも、自社の経営を維持しつつ正社員の労働条件引き下げを避けるために、いわゆる非正規社員の雇用で凌いできました。その結果、非正規社員の低処遇や不安定雇用などの状況を生み出す結果にもつながりました。そして、今、アベノミクスによってあたかも景気が上昇しているように喧伝されていますが、厚生労働省の不適切な統計問題を取り上げるまでもなく、決して実体経済が強くなっているとは考えられません。
そうしたなかで「同一労働同一賃金」が導入されましたが、企業が収益の中から捻出できる人件費の上限は自ずと決まってきます。ですから、非正
「同一労働同一賃金」の課題を深掘りする!真の改革とは? — 前川 孝雄
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