ベトナムで行われた米朝首脳会談の2日目は予想外の展開となりました。予定されていたワーキングランチがキャンセルされ、トランプ大統領の記者会見が2時間ほど前倒しになり、共同記者会見がなくなったという報が流れた時点でこの案件に注目していた方々にはあらかたの展開の想像ができたでしょう。
私もそのあと開催された約40分にわたるトランプ大統領の記者会見、質疑を食い入るように拝見しました。まず、驚きだったのはトランプ大統領の顔色が実に冴えなかったのです。珍しいぐらいシリアスだったと思います。記者会見の内容は報じられている通りですのでここでは割愛します。
ホワイトハウスFBより:編集部
ここから考察です。
まず、今回の米朝会談は無理やり日程を入れた感が強いと考えています。私の22日付の本稿で「今回の会談の成果は大きなものにはならないと判断せざるを得ません」と明確に期待を打ち消していました。非核化の定義と歩み寄りが実務者ベースで進捗していなかった中でトップ会談で打開しようと双方が考えたところにポイントがあります。
ではなぜ、両者は急いだのでしょうか?
北朝鮮は制裁が効き、経済的に苦しい中で打開を急がねばならないのは自明。そして文大統領が背中を押していました。ここは分かります。ではトランプ氏ですが、私は米中貿易交渉の決着をつけてから米朝首脳会談に臨むべきと再三意見してきました。それなのに順番を変えたの
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