アルプスの小国オーストリアはフランス、スペイン、ポルトガル、イタリアなどと共に欧州の代表的カトリック教国だ。そのオーストリアのカトリック教会の信者総数は昨年12月31日現在、約505万人で前年の511万人より約1・1%減少した。今年中には500万人台を割ることは必至の状況だ。
▲ドイツ行の列車を待つ難民家族(ウィーン西駅構内で、2015年9月15日撮影)
同国の人口は2017年現在約880万人だから、500万人台割れがどのような意味を持っているか、社会学者や人口学者は知っているだろう。オーストリアがカトリック教国のステイタスから転げ落ちるシナリオがいっそう現実味を帯びてきているのだ。
オーストリア司教会議が9日、公表した教会統計によると、教会脱会者数は昨年5万8378人で前年比で8・7%増加した。一方、聖職者数の動向でも厳しい。2017年の統計だが、神父数は3857人で、16年の3980人より微減。同じように修道僧は16年の1970人から17年は1920人、修道女は3715人から17年は3600人とそれぞれ微減した。
この教会統計の現象が今後も続けば、カトリック信者数が同国全人口の過半数を割るのはもはや時間の問題だ。参考までに、同国では2009年、カトリック信者数は約553万人で、まだ人口の約66%を占めていた。当方が1980年にオーストリアに初めて足を踏み入れた時、同国は文字通り
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