前回は、公共インフラの民営化が日本で本格化しつつあることと、その背景を解説した。今回はより具体的に、インフラを所有する政府、運営を受託する企業、そして投資家(コンセッションの場合)の3者にとって、民営化がどういうメリットをもたらすのか考えたい。
費用も効果も大幅に改善
公共インフラの民営化には、最近ブームのコンセッション(公共施設運営権)のほか、部分委託、包括委託、指定管理者制度、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)、そして株式会社化などの手法がある。
このうち指定管理者制度は発足から15年がたち、成果が明らかになりつつある。筆者が概観したところ、おしなべてコストは2~3割、苦情は3~5割減り、イベントや施設の運営では来場者数が3~5割は伸びるケースが多い。
指定管理者制度の導入当初は、「公務員の高い人件費を民間の非常勤職員の報酬に置き換えるから安上がりになる」とその効果を短絡的に理解する向きが多かった。だが最近は作業手順の合理化や集客・増収に向けた民間らしい創意工夫の効果も出てきた。収益改善にコスト削減は必須だが、それを超える成果を出すにはサービスやコンテンツの価値を増し、施設稼働率を上げ、リピーターを増やし、客単価を上げる。つまりアップサイドの効果が大きい。
大阪城公園Facebookより:編集部
例えば本連載第185回で紹介した大阪城公園の指定管理者制度の場合
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公共インフラの民営化:政府、受託企業、投資家のWin-Win-Win関係
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