①ブルガリア北部ルセのテレビ局TVNのジャーナリスト、ビクトリア・マリノバさん(Viktoria Marinowa 30)の殺人事件は大きく報道され、日本でもかなりのスペースを割いて報じられたからご存知の読者も多いだろう。
ブルガリアのTVジャーナリスト、ビクトリア・マリノバさん(マリノバさんが司会した最後の番組「Detektor」の動画から)
事件発生直後、マリノバさんが先月30日、欧州連合(EU)の補助金を巡る汚職疑惑関連の番組「Detektor」の司会をしていたこともあって、政界を巻き込んだ不正汚職事件との関連性の視点から報じるメディアが多かった。マリノバさんの最後の番組ではブルガリアとルーマニアの2人の調査報道ジャーナリストがゲスト出演し、ブルガリアでのEUの補助金に関連した不正容疑について話し合っている。
事件は急展開した。事件発生4日後、ブルガリア捜査当局は10日、21歳のルセ出身のブルガリア男性が9日、ドイツのニーダーザクセン州のシュターデで拘束されたことを明らかにし、事件が性犯罪であり、不正汚職容疑などに絡んだ事件ではない可能性が高いという。
大方のメディアが推測した事件の方向ではなく、ドナウ川沿いの公園でジョギング中のマリノバさんを酒に酔った21歳の若者が襲撃し、性的暴行し、暴れたので殺した。その直後、犯人は親族が住むドイツに逃亡した、というのがこれまでの事件の背
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ジャーナリスト殺人報道の難しさ
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