プロ野球の広島東洋カープがセ・リーグ3連覇を果たしました。これは、球団史上初の快挙でした。1991年のリーグ制覇から四半世紀にわたり、Aクラス(3位以上)入りすらおぼつかなかったチームが、これほどまで成長したことに驚きを隠せません。常勝軍団に変貌した要因はどこにあったのでしょうか?
球団公式サイトより:編集部
私は、読売新聞社で福岡ソフトバンクホークスの担当記者をしていました。ホークスは今や、球界を代表する常勝軍団と言えます。しかし、福岡移転後のホークスは、1999年に初優勝するまで苦戦続きでした。同じような軌跡をたどる両チームですが、私はふと、ある共通点を見出しました。
それは、「野球偏差値の高さ」「凡事徹底」「勝利に貪欲なファンの存在」です。
アウトをとられても点をとれる卒のなさ
まずは、「野球偏差値の高さ」ですが、ホークスの場合は、憎たらしいほどの「卒のなさ」に表れていました。無安打でまんまと1点取ってしまうのです。
例えば、こういうパターンです。「先頭打者が失策で出塁し、次打者の打席で2塁盗塁に成功。そして、2番打者が二塁ゴロで走者を三塁に進め、3番打者が犠牲フライで1点」。相手側からすると、すべて打ち取っているわけですから、相当、ストレスがたまる失点でしょう。
今季のカープでは、「野球偏差値の高さ」は、「つなぎの意識」として表れてきています。それを象徴するデータがいくつか
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