保険はないほうがいい
自動車保険では、事故が減る方向に機能することが顧客の利益だから、その設計においては、事故率を低下させるべく、自助努力を促す契機を含めなくてはならない。実際、事故実績によって保険料が算定されるので、安全運転が保険料の低下につながって顧客と社会の利益になるようにできている。その極、自動運転等の技術革新により、事故のない社会が実現すれば、自動車保険は不要になる。不要になることが自動車保険の進化である。
こうして、保険の真の機能は、金融としての保険機能そのものにあるのではなく、保険機能を通じて、付保対象の事故を減らすことにあるのだから、顧客本位を徹底すれば、保険の高度化は、必然的に、保険の無用化を志向せざるを得ない。この逆説こそ、保険の本質なのである。
保険一般について、火災、盗難、疾病等の付保対象事故が起きたときは、その速やかな事後処理が中心の問題であって、保険の金融機能としての金銭補償は付随的なことだし、更にいえば、事後処理よりも、事前予防こそ、根源的な問題なのである。要は、医療保障よりも、健康増進なのである。
保険は、実損填補を金銭により行うので金融の領域にみえるが、事故処理支援にこそ付加価値があり、また、実損を直接的に物品等によって填補できることを考えるならば、金融機能でないともいえる。むしろ、金銭補償をなくす方向に、即ち、保険の金融機能の消滅の方向に真の保険の社会的機能があるの
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