ユンケル委員長と会談するトランプ氏(ダン・スカヴィーノ氏のツイッターより:編集部)
トランプ大統領とユンケル欧州委員会委員長の「ディール」を通じて、トランプ大統領による諸外国への関税攻勢の本質の輪郭が明確になってきました。
リベラルなメディアや有識者は「共和党支持者が保護主義になった」と騒いでいますが、これはトランプ関税の背景を理解していない言論であり、現在米国で起きている政治状況をミスリードして日本に伝えています。本稿では、下記「トランプ関税」の狙いを大まかに整理して伝えていきます。
最初に理解するべきことは、同じ「関税」という手段であっても相手先・内容に応じて全く異なる目的によって行われていることを確認すべきです。そして、「関税」という一つの事象をどの角度から見るかによって「選挙目的」「覇権目的」「保護主義」などの見方が変わります。多くの人たちはたまたま自分が見た角度から「トランプ関税」を説明するので見解がバラけるのであり、その全てが正解であり不十分な回答となっています。
まず、3月に実行された鉄鋼・アルミに関する追加関税は、昨年から周到に準備された上で実行された政策です。この関税の目的は「選挙目的」「産業保護」の両方の意図が働いています。トランプは上院改選州に含まれるラストベルトでの集票活動を重視しており、また通商関係の重要ポストは共和党側に通じた鉄鋼ロビーが占めています。そ
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誰でもわかる「トランプ関税」の読み解き方
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